- 妊娠を計画している女性と妊娠初期の女性は、食事に加えてサプリメントなどから葉酸を1日400μgとることが望まれている
- 妊娠中・授乳中は葉酸・鉄・亜鉛などの必要量が増える。一方でカルシウムには付加量がない
- ビタミンA(レチノール)は妊娠初期のとりすぎに注意。マルチビタミンや複数の商品の重なりを確認する
- カフェインを含むもの、ハーブなど植物由来の成分は、自己判断で使わず医師・薬剤師に相談する
基本は食事。サプリメントは「足りない分を補う」もの
消費者庁は、健康の維持・増進の基本は「栄養バランスのとれた食事、適度な運動、十分な休養」であり、健康食品はそれを補助するものだと案内しています。妊娠中・授乳中も同じで、まずは主食・主菜・副菜をそろえた食事が土台になります。
そのうえで、妊娠を考える時期の葉酸のように、公的な基準でサプリメントなどからとることが望まれている栄養素もあります。「何でも多めに」ではなく、「必要なものを、必要な量だけ」と考えるのが基本です。妊婦健診では体重や血液の検査も行われるので、気になることはかかりつけの産婦人科で相談しましょう。
妊娠を考え始めたら:葉酸
赤ちゃんの脳や脊髄のもとになる神経管は、妊娠に気づく前のごく初期につくられます。そのため厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性、妊娠初期の妊婦は、通常の食品以外の食品(サプリメントや葉酸を強化した食品)に含まれる葉酸を1日400μgとることが望まれるとされています。神経管閉鎖障害のリスクを低減するためのもので、とれば必ず防げるというものではありません。
サプリメントの葉酸には耐容上限量(30〜49歳の女性で1日1,000μg)も定められています。葉酸サプリとマルチビタミンを重ねて飲むと合計量が多くなることがあるので、1日分の量を確認しましょう。くわしくは葉酸の基礎知識で解説しています。
女性100人の声から生まれた葉酸サプリ
女性(特に妊活中・妊娠中の女性)にとっては非常に重要な成分である、葉酸と鉄・カルシウム・ビタミンが一度に摂取できて、しかも低価格で続けやすいサプリメントですね!!妊活中・妊娠中のママにおすすめしたいサプリです。。
妊娠中・授乳中に必要量が増える栄養素
食事摂取基準では、妊娠中・授乳中に、ふだんの量に上乗せする「付加量」が決められている栄養素があります。主なものをまとめました(いずれも1日あたりの推奨量への付加量)。
| 栄養素 | 妊娠中 | 授乳中 |
|---|---|---|
| 葉酸 | 初期+0μg/中期・後期+240μg | +100μg |
| 鉄 | 初期+2.5mg/中期・後期+8.5mg | +2.0mg |
| 亜鉛 | 初期+0mg/中期・後期+2.0mg | +3.0mg |
| ビタミンA | 初期・中期+0μgRAE/後期+80μgRAE | +450μgRAE |
| カルシウム | 付加量なし | 付加量なし |
日本人の食事摂取基準(2025年版)をもとにした健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)の資料より。鉄の付加量は月経なしの推奨量への上乗せです。
鉄は妊娠中期以降に必要量が大きく増えます。不足が気になるときも、自己判断で鉄のサプリメントを増やすのではなく、健診の血液検査の結果をもとに医師の指示に従いましょう(鉄の基礎知識)。カルシウムは妊娠中に吸収されやすくなるため付加量はありませんが、ふだんから不足しやすい栄養素なので、乳製品や小魚、大豆製品を意識してとりましょう(カルシウムの基礎知識)。
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とりすぎに気をつけたいもの
ビタミンA(レチノール)
ビタミンAは必要な栄養素ですが、妊娠初期にレチノール(ビタミンAそのもの)をとりすぎると、胎児への影響が指摘されています。食事摂取基準では、成人女性の耐容上限量は1日2,700μgRAEです。通常の食事でとりすぎることはほとんどありませんが、サプリメントや、ビタミンAを特に多く含むレバーを多く食べるときは注意が必要です。
一方、緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンは、体の中で必要な分だけビタミンAに変わるため、とりすぎの心配は少ないとされています。マルチビタミンや葉酸サプリを選ぶときは、ビタミンAの量と形(レチノールかβ-カロテンか)を確認しましょう(マルチビタミン)。
カフェイン
厚生労働省のQ&Aでは、カフェインの1日の摂取許容量は日本でも国際的にも設定されていないとしたうえで、海外の機関が妊娠中の女性に目安を示していることを紹介しています(英国食品基準庁は1日200mg程度、カナダ保健省は妊娠中・授乳中の女性に1日300mgまで)。コーヒーやお茶に加えて、サプリメントや健康食品の中にもカフェインを含むもの(緑茶やガラナの抽出物など)があるので、原材料表示を確認しましょう(成分表示の読み方)。
ハーブなど植物由来の成分
ハーブや植物の抽出物を使った健康食品には、妊娠中・授乳中に使ったときの安全性が十分に確かめられていないものが多くあります。「天然由来だから安心」とは限りません。妊娠中・授乳中は、使う前に医師・薬剤師に相談しましょう。
サプリメントを使う前のチェックリスト
- 産婦人科の医師や薬剤師に、使いたいサプリメントの名前と量を伝えて相談した
- 処方された薬(鉄剤など)や市販薬との飲み合わせを確認した(飲み合わせの注意)
- 葉酸・鉄・ビタミンAなどの1日分の量を確認し、ほかの商品と重なっていない
- パッケージの摂取目安量と注意事項(「妊娠中の方は…」など)を読んだ
- 「妊活」「ママ向け」などの言葉だけで選んでいない。お試し価格の定期購入の条件も確認した(定期購入のトラブル)
- 体調の変化があったらすぐにやめて受診する(体調が悪くなったら)
つわりで食事がとれない、持病がある、薬を飲んでいるなど、状況は人によって大きく異なります。インターネットの情報や体験談より、健診で体の状態を見ている医師の判断を優先しましょう。
よくある質問
- 妊娠がわかる前に飲んでいたサプリメントは、そのまま続けていいですか?
- 成分によって考え方が異なります。続けてよいかどうかは、商品のパッケージを持って産婦人科の医師や薬剤師に相談しましょう。ビタミンAの量が多い商品やハーブを含む商品は、特に確認が必要です。
- 授乳中もサプリメントを飲んでいいですか?
- 授乳中は葉酸やビタミンAなどの必要量が増えますが、まずは食事でとるのが基本です。成分によっては母乳に移るものもあるため、サプリメントを使う場合は医師・薬剤師に相談してからにしましょう。
- マルチビタミンを飲んでいれば、葉酸サプリはいりませんか?
- マルチビタミンに含まれる葉酸の量は商品によって異なります。1日分の葉酸の量を確認し、400μgに足りているか、ほかのビタミン(特にビタミンA)の量が多すぎないかを見て、医師や薬剤師と相談して決めましょう。
- 鉄のサプリメントは自分で選んで飲んでもいいですか?
- 妊娠中は健診で貧血の検査が行われ、必要に応じて医師が対応を決めます。鉄はとりすぎると胃の不調などが起こることもあるため、自己判断で量を増やさず、医師に相談しましょう。
妊娠を考え始めたら、食事に加えてサプリメントなどから葉酸を1日400μgとることが望まれています。妊娠中・授乳中は葉酸・鉄・亜鉛などの必要量が増える一方、ビタミンA(レチノール)のとりすぎ、カフェインやハーブには注意が必要です。サプリメントは食事を補うものと考え、使う前に必ず医師・薬剤師に相談しましょう。選び方の基本はサプリメントの選び方ガイドも参考にしてください。