- 鉄は赤血球のヘモグロビンの材料。月経のある女性は、月経のない時期の倍近い量が必要とされている
- 肉や魚の「ヘム鉄」は吸収されやすく、野菜や大豆の「非ヘム鉄」はビタミンCやたんぱく質といっしょにとると吸収が高まる
- 疲れやすさ・立ちくらみなどが続くときは、サプリメントの前に医療機関で血液検査を
- サプリメントは推奨量を大きく超えないようにし、薬を飲んでいる方は医師・薬剤師に相談する
鉄の働き
鉄は、血液の赤血球に含まれる「ヘモグロビン」の材料になるミネラルです。ヘモグロビンは、肺から取り込んだ酸素を全身に運ぶ役割を担っています。体の中の鉄の多くはヘモグロビンとして存在し、残りは肝臓などに「貯蔵鉄」として蓄えられています。
鉄が足りない状態が続くと、まず貯蔵鉄が減り、さらに進むとヘモグロビンが減って「鉄欠乏性貧血」になります。疲れやすい、息切れ、顔色が悪いといった様子が見られることがあります。
栄養機能食品では、鉄について「赤血球を作るのに必要な栄養素です」という表示が認められています(保健機能食品の違い)。
月経のある女性は、とくに意識したい
月経があると、毎月の出血で鉄が失われます。そのため、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、女性の鉄の推奨量を「月経なし」「月経あり」に分けて定めています。
| 対象(女性) | 月経なし(1日) | 月経あり(1日) |
|---|---|---|
| 18〜29歳 | 6.0mg | 10.0mg |
| 30〜49歳 | 6.0mg | 10.5mg |
| 50〜64歳 | 6.0mg | 10.5mg |
妊娠中は、赤ちゃんの成長などのために多くの鉄が必要になり、月経なしの推奨量に、妊娠初期は2.5mg、中期・後期は8.5mgが付加量として上乗せされます。授乳中は2.0mgの上乗せです。妊娠中の栄養については、葉酸の記事もあわせてご覧ください。
月経のある30〜40代の女性にとって、1日10.5mgを食事だけでとるのは簡単ではありません。まずは毎日の食事で、鉄を含む食品を意識して取り入れることから始めましょう。
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ヘム鉄と非ヘム鉄の違い
食品に含まれる鉄には、2つの種類があります。
| 種類 | 多く含む食品 | 特徴 |
|---|---|---|
| ヘム鉄 | レバー、赤身の肉、かつお・まぐろなどの赤身の魚、あさり | 吸収されやすい |
| 非ヘム鉄 | 小松菜、ほうれん草、大豆製品、ひじきなどの海藻、卵 | 吸収されにくいが、食べ合わせで吸収が高まる |
食事からとる鉄の多くは非ヘム鉄です。非ヘム鉄は、ビタミンCやたんぱく質といっしょにとると吸収が高まることが知られています。小松菜のおひたしに果物を添える、豆腐や納豆と肉・魚を組み合わせるなど、1回の食事の中で組み合わせるのがコツです(ビタミンの働き)。
反対に、お茶やコーヒーに含まれるタンニン、穀物の外皮に含まれるフィチン酸などは、非ヘム鉄の吸収を妨げるといわれています。食事中や食後すぐに濃いお茶やコーヒーを何杯も飲む習慣がある方は、少し時間をずらしてみるのもよいでしょう。
サプリメントを使う前に知っておきたいこと
まずは医療機関で調べる
疲れやすさ、立ちくらみ、息切れなどが続くときは、自己判断でサプリメントを飲む前に、医療機関で血液検査を受けましょう。貧血の原因は鉄不足だけではなく、月経量が多い、ほかの病気が隠れているなど、さまざまです。鉄欠乏性貧血と診断された場合は、医師の指示に従って治療を受けることが大切です。サプリメントは治療の代わりにはなりません。
とりすぎにも注意
通常の食事で鉄をとりすぎることはまずありませんが、サプリメントで長くとりすぎると、臓器に鉄がたまって体に影響することがあります。食事摂取基準(2025年版)では耐容上限量は設定されていませんが、治療など特別な目的がない限り、推奨量を大きく超えてとるのは避けたほうがよいとされています。
- 1日の目安量を守る。マルチミネラルやマルチビタミンにも鉄が含まれていることがあるので、重なりを確認する(マルチミネラル)
- 胃の不快感や便通の変化を感じることがある。気になる場合は医師・薬剤師に相談する
- 鉄は一部の抗菌薬などの吸収を妨げることがある。薬を飲んでいる方は、飲み合わせや飲む時間を医師・薬剤師に確認する(飲み合わせの注意)
- 持病のある方、妊娠中・授乳中の方は、医師に相談してから使う
当サイトでは、鉄を含むDHCのマルチミネラルの体験談を掲載しています。
よくある質問
- ほうれん草をたくさん食べれば鉄は足りますか?
- ほうれん草の鉄は吸収されにくい非ヘム鉄で、シュウ酸という吸収を妨げる成分も含んでいます。ほうれん草だけに頼らず、肉や魚、大豆製品、小松菜などいろいろな食品からとりましょう。ゆでると、シュウ酸を減らすことができます。
- ヘム鉄と非ヘム鉄、サプリメントはどちらがいいですか?
- どちらにも鉄としての働きに違いはありません。吸収のされやすさや、胃への負担の感じ方は人によって異なります。量を確認して、目安量を守ることが大切です。迷ったら、薬剤師に相談してみましょう。
- 月経が終わったら、鉄はとらなくてもいいですか?
- 月経がなくなっても、鉄は体に欠かせない栄養素です。推奨量は少なくなりますが、食事から毎日とることは続けましょう。サプリメントを使っている場合は、量が多くなりすぎていないか見直すタイミングです。
鉄は酸素を運ぶヘモグロビンの材料で、月経のある30〜40代の女性は1日10.5mgが推奨量です。ヘム鉄を含む肉や魚、非ヘム鉄を含む野菜や大豆製品を、ビタミンCやたんぱく質と組み合わせてとりましょう。体調が気になるときはサプリメントの前に医療機関で検査を受け、サプリメントを使う場合はとりすぎや薬との飲み合わせに注意してください。